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五月晴れの鎌倉を歩く [随筆]

 ゴールデンウイークのど真ん中人出は覚悟の上で鎌倉に向かいました。

それでも何とかのんびり行きたいと、少し早目に出発しました。

 息子にはあっさり断られ、内心しめたっという本心は隠して娘と二人でるんるん。

 電車上野で乗り換えてからも信じられない位空いていて、のんびりと車窓を

楽しみました。

 戸塚で弟夫婦と合流、北鎌倉に九時半頃には到着しました。

やっぱり凄い人でホームから出るのにも牛歩のごとくそろりそろり。

 それでも大好きな鎌倉、今まで何回も来たけれど最後に夫と来てからは十二、

三年振りになります。

 駅を出るとまず一番近い円覚寺へ、いつ見ても荘厳で立派な三門にしばらく

見とれてしまいます。緑濃い境内は人が多いけれど気になる程でもありません。

 ここは鎌倉五山第二位の寺で、仏殿におわすご本尊は釈迦如来。しばらく手

を合わせお祈りして遠く鎌倉時代に思いを馳せました。

秋には紅葉が有名ですが若葉も本当に美しい。

  国宝の梵鐘もいつ見ても心が落ち着きます。

 鎌倉で行きたいお寺は星の数ほどあるけれど、今日訪ねたいお寺は決めて

いました。

 次の東慶寺はかけこみ寺として有名です。女性の側から離婚出来なかった

封建時代、ここに駆け込めば離縁出来る女人救済の寺として、明治にいたる

まで六百年間、縁切り寺法を守ってきたそうです。

 山門に続く石段は高く長く、この寺に入る決意の強さを問うているように私

には見えました。

 宝形造の屋根が美しい本堂「泰平澱」に祀られているご本尊は釈迦如来坐像

です。

 境内の奥には歴代住職の墓苑があります。折角来たのだからと頑張って

歩きました。

 安倍能成、出光佐三 岩波茂雄 川田順 小林秀雄 西田幾太郎 野上

弥生子 高見順 前田青邨 和辻哲郎など日本を代表する人たちのお墓が

時代を写して静かにあり、大勢の参拝者がおりました。

 北鎌倉から鎌倉への道に沿って歩くことにしました。歩いている人の列も

途切れることはありまませんが動いています。

 しかし隣の道路は車の渋滞、色とりどりの車がのろのろと、歩く方が断然

早そうです。少々足が疲れてもちょっと優越感があるのが私らしい。ふふふ。

 次の浄智寺は鎌倉五山四位のお寺です。

寺域が背後の谷戸に深く延びて境内は竹や杉が多く閑静なたたずまいです。

 参道入り口の石橋のほとりにある甘露の井があり、今は残念ながら水は

飲めないそうです。

 二階が鐘楼とい珍しい山門をくぐると本堂の昇華殿にはご本尊の三世仏

阿弥陀如来(過去) 釈迦如来(現世) 弥勒如来(未来) の仏様で、三世に

渡って人々の願いを聞き入れて下さるという仏様です。

 私は宗教のことは分かりませんが、こういう説明を読んで手を合わせると

なんとなく気持ちが安らいでくるのが不思議です。

 帰り道にお腹をさすると、元気を貰えるという大きな布袋様が立っていて

皆がさすったお腹の辺りが、黒光りしているのがご愛嬌でした。荘厳な気持

から解放された一瞬。勿論私もお腹さすりました。

 もうかなり歩いたということで、少し早いけれど、三軒目にやっと入れた店

で精進料理を頂きました。

 けんちん汁と五穀米のご飯、筍と蕗の葉のてんぶらと漬物。あまりお腹も

すいてなかったからかしら、まあまあでした。弟がご馳走してくれたのにね。

ちなみに献立は一種類だけ、テレビにも出たことあるようなお店だそうです。

 元気が出たところで、ひたすら鎌倉八幡宮に向かって歩きます。

空は青く風もあって歩くのにはいい調子ですが、もうかなり嫌になっています。

私のことを大丈夫かと三人が気遣ってくれるので、余計頑張る私です。

 やっと八幡宮の裏手に辿り着き坂道を登るとびっくりポン。居るは居るは、

なんと人の群れが下から本殿に向かって迫ってきます。

 横から行った私たちはラッキー、割合すぐに本殿に辿り着きお参りすることが

出来ました。

 石段の下に来て今回私が一番見たかった銀杏の木の側に立ちました。

このあたりは人がびっしりということもなく、台風で倒れた大銀杏から生えた

芽を大切に育て、今その若木が二メートル程なり黄緑の葉っぱが五月の光に

輝いて風に揺れていました。

 三代将軍源実朝がこの大銀杏の蔭に隠れていた甥の公暁に暗殺されました。

そしてその時から公暁のかくれ銀杏として知られるようになりました。

 写真嫌いな私がこの銀杏の木と一緒に一枚撮ってもらってご機嫌です。

 見事に咲き誇るぼたんの花を堪能し、新しく出来た段蔓の参道を歩き、小町通

には目もくれず最後の目的地寿福寺に向かいます。

ここは北条政子が頼朝のために建立した格式高い鎌倉五山三位のお寺です。

 長い参道の脇には大木が茂り、総門の前に立つと荘厳な気持ちになります。

ここの境内は非公開ですが私の目指すのは、その裏山の奥にある政子実朝

親子の墓と伝えられる祠です。

 前二回ほど訪ねた時はもっと近かったと思うのに、丘を背負う谷戸の一角の

その場所は険しく遠い。

 坂道をあがったり下りたり、やっと二人のやぐらの前にたった。苔むした小さな


祠の中に五輪の塔が祀られ、花が供えられ灯もともっています。

 とても質素で、政子親子のイメージとは程遠く感じられましたが、これこそ私の

好きな実朝らしいと心から手を合わせ彼の数奇な生涯を思いました。

 まだ時間は充分あったのですが残念ながら足が危うい。

他の三人が元気かと言うと、弟は写真を百五十枚もとってややげんなり。

娘と義妹はまだまだ行けそうだけど、ここでやっと喫茶店をみつけああ嬉しい。

 なかなかおしゃれな店で、美味しいコーヒーとケーキで一休み、何故か弟は

生ビール?

 今日の鎌倉は私満足度百パーセントよ。まあ私の一人よがりのところはあった

にせよお付き合い有難う。と皆に心からお礼を言いました。

 戻って来た鎌倉駅は、三時半過ぎだというのに人でごった返し、江の電のホーム

は入場制限をしている有様。私たちはそろそろ引き揚げることにしました。

 今夜は泊って、ゆっくりして行ったらと言う有難い義妹の言葉に感謝しつつ、戸塚

で別れて、帰途につきました。

 また嬉しいことに電車には座れるし、乗り換えた品川からも座って帰りました。

 夜になって弟から沢山の写真とともにメールが届きました。

 他の弟たちにも送ったようです。

 「足は大丈夫ですか。今日は一万六千歩、十二キロ歩きました。」

これを見た途端どっと疲れが出ました。すぐにゆっくりお風呂に入りました。

 去年の病気から一年、今日こんなに元気に鎌倉へ行けたことを本当に嬉しく

思いました。

 私の楽しい思い出がまた一つ増えました。

  

 

 



 

 
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小雨にけむる空港

ああ二週間振りに下り立つ鄙びたわが街の空港。

小雨にけむる見慣れた低い山並みと、どんよりゆれる瀬戸の海。

雨中の飛行なんて久し振り。揺れもせず講談と落語で笑っているうちに到着です。

 今回は割にあちこち楽しかったので、その代表鎌倉行きは改めて紹介したいと

思っています。

 気を使って優しくしてくれる子供たちのこと嬉しいと感謝しつつも一週間もすると

帰りたい虫がむずむず。帰ったって一人でぼよよ~んとしている癖にと思いつつ

やっぱりわが家はいいものです。

 はっきり言って飛行機シニア空割が効くのを待って飛んで帰りました。

 二週間位の留守では、庭の雑草が目につくのと、玄関に満開だったつつじの花が

みすぼらしく枯れ朽ちて、はっぱの上に散らばっているのが目につくくらいです。

 今日は朝からかなりの雨で庭には出られません。

明日は歯科。明後日は友だちと、それから.....予定が詰まっています。

 何かやることがあるということはいいことです。新聞もゆっくり読めるし、自分のしたい

放題。東京が窮屈だったわけではないのですが、毎度のことながらわが家は最高。

 季節はよし、プラス思考の前向きで頑張ろうと思っています。


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